コラム
2024.08.02
AIをイベントマーケティングにどう活用するか【海外事例】
- マーケティング
- AI
“没入型体験”、“イマーシブ体験”という言葉が盛んに聞かれるようになりました。
これまで画面の向こうや舞台上で展開されていた架空の事件や空間を、よりリアリティをもって体験できるよう演出し、当事者として観客を「没入」させる新しいエンターテインメントです。
本記事では、これまで登場した没入型体験の事例についてご紹介します。
没入型体験がこれからの顧客体験にどのように活用できるか考えてみましょう。
没入型体験を楽しめる場所は、リアルの商業施設や都市・デジタル空間など、実にさまざま。アメリカのラスベガスにある「AREA15」や東京お台場の「イマーシブ・フォート東京」など、“没入型体験”を中心にした商業施設が登場し、人気を集めています。
「没入型体験」と呼ばれている体験にはどのようなものがあるのでしょうか。
今回は、実際に話題を集めた没入型体験についてご紹介します。
没入型体験の事例は、リアルで体験できるものとデジタル上で体験できるものの2つに大別できます。それぞれ確認していきましょう。
リアル世界での没入型体験は、用いられる手法から2つに分類できます。
それぞれどのようなものなのか、代表的な海外の事例を確認していきましょう。
最新のテクノロジーを駆使して、没入感の高い演出が施された空間を楽しむことができます。韓国の仁川(インチョン)にある商業施設「INSPIRE Entertainment Resort」は、その代表的な事例といえるでしょう。
2階にある全長150メートルの没入型デジタル・エンターテインメント・ストリート「オーロラ」は、超高画質LEDの巨大なキャンバスで埋め尽くされています。ここで上映されるのは、空や森、海中や宇宙など、幻想的なプロジェクションマッピング。「オーロラ・ショー」と称されるこの没入型体験は、毎時00分と30分に3分かけて行われます。
公式サイト:「INSPIRE Entertainment Resort」https://www.inspirekorea.com/
参加者に当事者として物語への参加を促す事例として「ウェイン・エンタープライズ・エクスペリエンス」があげられます。
「ウェイン・エンタープライズ・エクスペリエンス」は、アメリカの人気コミック『バットマン』の世界観を現実に表現しています。
このイベントを手がけるのは、ドイツの電気自動車メーカー「ピニンファリーナ」とピニンファリーナのパートナー企業(とされている)「ウェイン産業」です。
ウェイン産業は犯罪都市ゴッサムシティに本社を構える大企業。筆頭株主のブルース・ウェインは、バットマンの正体として有名です。
「ウェイン・エンタープライズ・エクスペリエンス」は招待者限定のイベントで、ブルース・ウェインのプライベートガレージで買い物体験ができます。展示物のなかには、ピニンファリーナの限定モデルのスポーツカーも。
参考:事例紹介動画「没入型の『バットマン』体験で買い物体験を再考する」
公式サイト:「WAYNE ENTERPRISES」https://brucewaynex.com/
つぎに、オンライン上での没入型体験の事例をご紹介しましょう。ここで挙げるのは、AppleのVRゴーグルを用いたファッションブランドの事例と、AmazonのユニークなECサイト。
Appleが仮想現実ゴーグルApple Vision Proの販売を開始したとき、多くの企業が専用のショッピングアプリを立ち上げようと動きました。「Alo Yoga」もその企業のひとつです。Alo Yogaは2007年にアメリカ西海岸ロサンゼルスで誕生したヨガウェアブランド。没入型のショッピングや瞑想用のバーチャル体験アプリ。
ユーザーはVRゴーグルを装着することで、屋外環境で瞑想したり、ブランドの製品をVR上のECサイトで購入したりすることができます。
公式サイト:「Alo moves XR」https://www.alomoves.com/alo-moves-xr
一方、Amazonは、店舗のショッピング棚のように陳列された商品を見比べることのできるWebサイトを公開しました。このサイトでは、従来のECサイトではできなかったウィンドウショッピングを楽しむことが可能です。
このように、実際にマネキンが着ている状態を確認できる体験や、隣の棚の商品に目移りするような体験は従来のECサイトでは実現できなかったリアルに近い体験です。これらが「没入型体験」とすることにより実現できています。
今回は、近年話題になっている没入型体験の海外事例についてご紹介しました。このように、一口に「没入型体験」といっても様々な手法があることがわかります。
「没入型」の体験をデザインすることによって、従来の体験では難しかった「当事者性」を持たせたり、より情緒的な演出をしたり、デジタル上でリアルのような体験を創造することができます。
今後さらに様々な技術の発展により「没入度」が高まることが予想されます。効果的に没入型の体験を用いて顧客体験を創造することが求められるでしょう。「没入型体験」の今後に注目です。