体験創造研究所とは

Philosophy

当研究所が、"心を動かす"体験の可視化や価値向上に取り組む考え方についてご紹介します。

挨拶

Message

Mission

価値ある体験創出を、
サイエンスの力で支える。

体験は、時代と共により注目を集めるようになり、マーケティングを中心としたビジネス活動のみならず、教育や医療、様々な社会課題解決にむけて必要となってきています。体験の重要性が高まる一方で、体験創造の技術はまだまだ発展途上です。

しかし、体験の価値とは、体験者の個性と共に、その感覚や感情に対して与える情報の質によって決まるものであり、我々は体験者の”こころ”を深く知る必要があります。
現在、体験創造の多くは、クリエイティビティのみに依存しています。我々は、クリエイティビティの支えになる”こころ”を可視化する技術を研究し、体験創造のレベルを高めていくことを目的として設立しました。

体験創造研究所では、
・体験の先端事例の調査分析を通じた体験データベースの創造
・先端のサイエンス研究やテクノロジーを用いた、体験の可視化や評価の研究
・体験創造の価値向上/創造容易性の向上に向けたテクノロジー・ソリューション開発
を主業務として取り組んで参ります。
様々な研究組織の方々や、よりよい体験を創造したい企業様と共同で作り上げたいと考えております。

体験創造とは

About

体験の価値

VUCAの言葉に代表されるように、先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代が到来しています。3.11やCovid-19 がもたらしたような様々な考え方の変化等、今後も社会環境の変化に伴って、本質的、または根源的な価値観が変わっていく可能性があります。

しかし、これに共通しているのは、これらの体験が、人の心を動かす力をもつというこということです。強烈な体験や、体験の積み重ねは人に何らかの学びや気づきを与えます。私達は常に体験を概念化して経験としているのです。

体験が経験を作り、経験が新たな価値観や行動を生み、その行動の積み重ねが新たな社会を作る。この体験から学び取る作業は、人類が普遍的に行ってきた行為であり、どんなに社会が変わろうとも、体験が生む価値は変わらないのです。むしろ、これから変化が激しい時代においては、体験の価値はより重視される時代になる可能性があります。

近年、ビジネス界においてCX(顧客体験)という言葉が普及してきております。CXの出現はモノが溢れ、価値の消費が激しい現代において、従来のマーケティング手段が通用しなくなってきた表れともとることができます。

ビジネス界における体験創造の扱いは、まだまだ販促やコミュニケーション手段の一つとして存在することが多いですが、消費者優位にすすむビジネス界においては、よい体験はSNSやコミュニケーションの伝播により、体験は更なる力を持ちます。CXはブランドそのものに近いものとなり、CX自体がビジネスそのものという考え方も生まれています。

体験の価値は、まさにこれから本番を迎えるのです。

体験価値と課題

ビジネスにおける体験価値とは、商品やサービスの価格や機能等の物理的な特徴だけではなく、商品やサービスの出会いから購入・利用に至るまでの"トキ"や"コト"に対して、顧客が感じる感覚や感情の評価です。

体験価値を最初に紐解いたのは、「経験価値マーケティング(1999)」を著したアメリカの経営学者バーンド・H・シュミット氏です。

シュミット氏は、経験価値を「Sense(感覚的)」、「Feel(情緒的)」、「Think(認知的)」、「Act(行動的)」、「Relate(関係的)」に分類し、企業のブランドを生活者のライフスタイルを結び付け、生活者1人1人の行動と購買の根拠を、社会的文脈に位置付けるものとしました。

それを機に、体験価値を重視し、体験を取り入れようとする動きは現在に至るのですが、体験がビジネスにより取り入れられるようになった現在においても、体験価値における統一的な見方や、体験の良し悪しを判断できる基準、可視化に向けた取り組みは十分に進んだとは言えず、発展状態にあります。

言わば、全員が体験は重要だと認識し、クリエイティビティにより考案・創造しても、体験自体の価値や評価を明確に理解できていない状態です。

これは、体験というものが感覚や感情に影響を与えるものであり、人間が持つ感覚や感情がまだまだ解明されていないことによります。体験価値はずっと近くにありながらも、十分に理解することが難しいものなのです。

体験ビジネスの可能性

近年、これらを把握する為に、脳や自律神経等の身体的な内的反応や、表情や視線等の外的反応と感情との関係性を可視化する動きが進んでいます。
従来から、感情や心を可視化する根底として心理学がありましたが、脳神経科学が加わることによりその速度が高まっています。
更に感性工学やディープラーニング等を加えた科学的なアプローチの発展により、体験価値は注目され、創造の仕方がクリエイティビティのみに頼り、評価がわかりにくかった時代から、可視化され、体験価値がより理解され、創造しやすい時代に入ってきています。

これらは、体験が、ビジネスにおけるマーケティングの進化をもたらすのみならず、様々な領域で発展する可能性を秘めています。
開発や製造、セールスといった他の企業機能や、医療や教育といった産業においても、体験価値がもたらすことは幅広くありそうです。
様々な人やモノが存在し、そこにコミュニケーションが発生する場所であれば、体験は人々の感覚や感情に影響を与え、それがきっかけとなり、人々の経験となるからです。
クリエイティビティと科学的なアプローチが加わることにより、提供できる質と幅が広がり、まさにこれから体験創造の時代がくるのです。